JMRA九州・沖縄地区ブログ
JMRA九州・沖縄地区ブログ
九州民家塾 in 八女上陽レポート③
- 2013/10/11 (Fri)
- イベントの報告 |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
午後は、馬場氏による昨年の矢部川豪雨災害のお話
上陽には古くから残る眼鏡橋という石橋が残っています。今回の洪水によって石橋事体は壊滅的な損壊は免れましたが、下流域へ進むにつれて、その被害は甚大であり致命的な被害を受けなかったのは幸いと言うしかないようです。今回特に浸水して被害のひどかった山下集落についてと六号堤防決壊についてもお話しいただきましたが、いずれも昔から浸水しやすところに家を建てていたり、もともと川だったところを埋め立てて川の流れを変えていたりと、まさかの事態が起こるかもしれないと予測できる場所であったようです。
こういった場合に住民側の自主的な非難・防災意識と行政側の情報伝達手段の整備・災害知識の蓄積活用など両面から考える必要があります。自然による脅威は人間にはどうすることもできませんが、それを最大限に小さくする工夫などは先人の知恵から学ぶことが大いにあります。浸水しやすいところや、軟弱地盤と言われる場所は昔の地名を調べてみるとその名前からも予測がつくそうです。自然は、私たちに災害という脅威を与えることもありますが、馬場水車場で学んだように多くの恵みも与えてくれます。そのことを忘れずに、自然に感謝しながら自然と共生することを今一度考えなければと感じた一日でした。
[報告] ハンドスピーカー購入
さっそく、馬場水車場で大活躍しました。馬場さんがライダーベルトのように装着しているのが、今年購入したハンドスピーカーです。これで、屋外や町歩きでの解説が参加者みんなで共有できそうです。
PR
九州民家塾 in 八女上陽レポート②
- 2013/10/11 (Fri)
- イベントの報告 |
- CM(1) |
- Edit |
- ▲Top
馬場水車場を後にした私たちは、お昼休憩へ
今回は江戸時代末期の古民家で、かつて造り酒屋であった旧川口邸を再生したお食事処「なごみ」にて「鮎のせいろ蒸し定食」をいただきました。建物の外壁には鏝絵が随所に施され、立派なお屋敷であったようです。建物を一周してみると、珍しい文様がたくさん見ることができます。
この建物は、NPOグランドワーク福岡さんが土地と建物の寄付を受け、再生し、田舎体験の拠点として整備されたものです。再生までの経緯について、河野理事長さんより説明をしていただきました。
鮎のせいろ蒸し
創作料理で、せいろで蒸された鮎は骨まで丸ごと食べられ、鮎の下にはぎっしりとご飯が詰まっていてお腹いっぱいになります。この地で収穫されるお米と野菜を使い、体に優しくて美味しい田舎料理を堪能しました。ご飯の後には、美味しい八女茶も淹れていただき、大満足でした(食事に添えられていたものと、また違う種類のお茶。さすが、お茶の名産地です)
美味しい食事でお腹も満たされたあと、恒例の記念写真をパチリ。
今回は江戸時代末期の古民家で、かつて造り酒屋であった旧川口邸を再生したお食事処「なごみ」にて「鮎のせいろ蒸し定食」をいただきました。建物の外壁には鏝絵が随所に施され、立派なお屋敷であったようです。建物を一周してみると、珍しい文様がたくさん見ることができます。
この建物は、NPOグランドワーク福岡さんが土地と建物の寄付を受け、再生し、田舎体験の拠点として整備されたものです。再生までの経緯について、河野理事長さんより説明をしていただきました。
鮎のせいろ蒸し
創作料理で、せいろで蒸された鮎は骨まで丸ごと食べられ、鮎の下にはぎっしりとご飯が詰まっていてお腹いっぱいになります。この地で収穫されるお米と野菜を使い、体に優しくて美味しい田舎料理を堪能しました。ご飯の後には、美味しい八女茶も淹れていただき、大満足でした(食事に添えられていたものと、また違う種類のお茶。さすが、お茶の名産地です)
美味しい食事でお腹も満たされたあと、恒例の記念写真をパチリ。
九州民家塾 in 八女上陽レポート①
- 2013/10/10 (Thu)
- イベントの報告 |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
9月の最終日曜日、福岡県八女市上陽町で民家塾開催
今回は、矢部川の水運を利用して、水車で杉の葉線香を作っている馬場水車場を訪ね、その後、昨年大きな被害をもたらした九州北部豪雨による矢部川の氾濫についての検証を元国交省の河川部の第一線で活躍され、現在は八女市文化財専門委員の馬場紘一さんにお話しをいただきました。 3回に分け、レポートします。
まずは馬場水車場へ。
八女は杉線香の原料となる杉粉の産地です。杉の葉は、伐採後の杉山に残った葉を使用します。乾燥させた杉の葉は水車の動力を利用して60kgの杵でついて粉末にします。電気の粉砕機で粉末にする場合に比べ、熱をもたないのでより細かい粉末にできるそうです。通常ならこれに糊と水を加えて捏ね成形するのですが、ここが馬場さんのこだわりで、糊の代わりにタブの葉を入れて粘りを出すそうです。この配合は、季節により、また杉の種類により少しずつ違うので、長年の経験と勘で調合します。細長い線香に成形した後、乾燥させるのですが、これも杉山に残る杉の枝を薪の原料として焚くそうです。
杉の木を余すことなく使う
馬場さんによる丁寧な説明と、実際に水車が杉の葉をつく様子を見ると自然の恵みですべて作られた杉粉に感動し、水の音と水車が回る音、杉の香りが本当に心地よく感じられました。杉という木は、構造材として柱や梁に使われるだけでなく、建具や桶や道具など、昔から人々の暮らしと密接に関わっていました。杉の幹は勿論のこと、皮、枝、葉っぱに至るまで使えないところは何一つなく、大事な大事な資源であったことがよくわかります。ゆえに、人は杉を植え、手入れをしていくことでその自然のサイクルが成り立っていました。
日本で2軒しか残っていない
八女にはかつて40軒以上の線香水車が稼働し、今では馬場さんのところと、日光の2軒になってしまったそうです。日本全国でも栃木県の日光にあるだけで、安価な輸入品との競争、後継者不足、水車から電力への転換などにおされています。グローバル化が進み、物の関係性が見えなくなり、物への価値感が価格だけとなり失われていくことが、日本の昔からの知恵や工夫により育まれてきた自然の営みの中から生まれる物や技術が少なくなっている原因であるような気がしてなりません。馬場さんのお線香は昔ながらの製法で、電気などのエネルギーを全く使わず、科学的な香料や染料も一切使わず本当にエコで私たち人間にとっても安心で安全なお線香です。今現在市販されている線香の多くは原料が輸入品で、化学的な成分が含まれているものが多く、本当に安心して使えるものかよく吟味しなければいけないと思いました。
■馬場水車場の線香はPANDA SHOP(WWF)で購入できます
今回は、矢部川の水運を利用して、水車で杉の葉線香を作っている馬場水車場を訪ね、その後、昨年大きな被害をもたらした九州北部豪雨による矢部川の氾濫についての検証を元国交省の河川部の第一線で活躍され、現在は八女市文化財専門委員の馬場紘一さんにお話しをいただきました。 3回に分け、レポートします。
まずは馬場水車場へ。
八女は杉線香の原料となる杉粉の産地です。杉の葉は、伐採後の杉山に残った葉を使用します。乾燥させた杉の葉は水車の動力を利用して60kgの杵でついて粉末にします。電気の粉砕機で粉末にする場合に比べ、熱をもたないのでより細かい粉末にできるそうです。通常ならこれに糊と水を加えて捏ね成形するのですが、ここが馬場さんのこだわりで、糊の代わりにタブの葉を入れて粘りを出すそうです。この配合は、季節により、また杉の種類により少しずつ違うので、長年の経験と勘で調合します。細長い線香に成形した後、乾燥させるのですが、これも杉山に残る杉の枝を薪の原料として焚くそうです。
杉の木を余すことなく使う
馬場さんによる丁寧な説明と、実際に水車が杉の葉をつく様子を見ると自然の恵みですべて作られた杉粉に感動し、水の音と水車が回る音、杉の香りが本当に心地よく感じられました。杉という木は、構造材として柱や梁に使われるだけでなく、建具や桶や道具など、昔から人々の暮らしと密接に関わっていました。杉の幹は勿論のこと、皮、枝、葉っぱに至るまで使えないところは何一つなく、大事な大事な資源であったことがよくわかります。ゆえに、人は杉を植え、手入れをしていくことでその自然のサイクルが成り立っていました。
日本で2軒しか残っていない
八女にはかつて40軒以上の線香水車が稼働し、今では馬場さんのところと、日光の2軒になってしまったそうです。日本全国でも栃木県の日光にあるだけで、安価な輸入品との競争、後継者不足、水車から電力への転換などにおされています。グローバル化が進み、物の関係性が見えなくなり、物への価値感が価格だけとなり失われていくことが、日本の昔からの知恵や工夫により育まれてきた自然の営みの中から生まれる物や技術が少なくなっている原因であるような気がしてなりません。馬場さんのお線香は昔ながらの製法で、電気などのエネルギーを全く使わず、科学的な香料や染料も一切使わず本当にエコで私たち人間にとっても安心で安全なお線香です。今現在市販されている線香の多くは原料が輸入品で、化学的な成分が含まれているものが多く、本当に安心して使えるものかよく吟味しなければいけないと思いました。
■馬場水車場の線香はPANDA SHOP(WWF)で購入できます
(次回につづく)
最新記事
(06/30)
(11/21)
(09/16)
(08/04)
(07/13)
カレンダー
プロフィール
HN:
MINKA九州男(みんか.くすお)
性別:
非公開
自己紹介:
民家が好き、民家を残したい
木造の技術を次代へ
いろんな思いの人が集まってます
NPO日本民家再生協会
九州・沖縄地区運営委員会
〒811-3216
福岡県福津市花見が浜1-4-18(株)住幸房内
TEL 080-3952-0646
FAX 0946-21-5077(悠山想内)
E-mail minka2012_jmraqr@yahoo.co.jp
木造の技術を次代へ
いろんな思いの人が集まってます
NPO日本民家再生協会
九州・沖縄地区運営委員会
〒811-3216
福岡県福津市花見が浜1-4-18(株)住幸房内
TEL 080-3952-0646
FAX 0946-21-5077(悠山想内)
E-mail minka2012_jmraqr@yahoo.co.jp